財団について

設立趣意書

 科学の発達が人類の福祉と国家の繁栄に大きな貢献を致すことは申すまでもありません。しかしながら驚異的な発展をとげた今日の科学においても、各方面において未だしの感の致すこともまた事実であり、今後の一層の進展を待つものであります。
 このたび、実業界の第一線を退くにあたり、いささか私財を提供し、特に経済的に恵まれない優秀な研究者に対し幾分なりとも援助の手をさしのべ、わが国の学術及び文化のより一層の発展に微力ながら寄与できればと思い、ここに財団法人伊藤科学振興会を設立しようとするものであります。





公益財団法人伊藤科学振興会 定款
第1章 総則


(名称)
第1条 この法人は、公益財団法人伊藤科学振興会(英語名:Itoh Science Foundation)という。

(事務所)
第2条 この法人は、主たる事務所を東京都新宿区に置く。

第2章 目的及び事業

(目的)
第3条 この法人は、自然科学の研究を助成振興し、もって学術及び文化の発展に寄与することを目的とする。

(事業)
第4条 この法人は、前条の目的を達成するために次の事業を行う。
 (1) 自然科学の研究を行なう者、団体及び研究機関に対する研究費の補助
 (2) その他この法人の目的を達成するために必要な事業
2 前項の事業は日本全国において行うものとする。

第3章 資産及び会計

(財産)
第5条 この法人の財産は、次のとおりとする。
 (1) この法人設立当初、伊藤隆男の寄付にかかる財産目録に記載された財産
 (2) 資産から生じる収入
 (3) 寄付金品
 (4) その他の収入

(財産の種別)
第6条 この法人の財産を分けて、基本財産及び運用財産の2種とする。
2 基本財産は、この法人の目的である事業を行うために不可欠な財産として評議員会で定めた財産とする。
3 運用財産は、基本財産以外の財産とし、その運用益を、この法人の事業運営に充てるために安全、確実な方法で管理、運用している財産とする。
4 寄付金品で寄付者の指定のあるものは、その指定に従い基本財産または運用財産に繰り入れるものとする。

(財産の管理・運用)
第7条  この法人の財産は、理事会の議決に基づき理事長が管理し、基本財産のうち現金は、国公債等の確実な有価証券を購入するか、または定期貯金とし、もしくは確実な信託銀行に信託するか、あるいは、銀行に定期預金として理事長が保管する。

(基本財産の処分の制限)
第8条  基本財産は、譲渡し、交換し、担保に供し、または運用財産に繰り入れてはならない。ただし、この法人の事業遂行上やむを得ない理由があるときは、評議員現在数の3分の2以上の議決を経、かつ、その一部に限りこれらの処分をすることができる。

(経費の支弁)
第9条 この法人の事業遂行に要する費用は、資産から生ずる収入等の運用財産をもって支弁する。

(事業計画及び収支予算)
第10条 この法人の事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類については、毎事業年度開始の日の前日までに、理事長が作成し、理事会の承認を受けなければならない。 これを変更する場合も、同様とする。
2 前項の書類については、主たる事務所に、当該事業年度が終了するまでの間備え置き、一般の閲覧に供するものとする。

(事業報告及び決算)
第11条 この法人の事業報告及び決算については、毎事業年度終了後、理事長が次の書類を作成し、監事の監査を受けた上で、理事会の承認を経て、定時評議員会に提出し、第1号及び第2号の書類についてはその内容を報告し、第3号から第6号までの書類については承認を受けなければならない。
 (1) 事業報告
 (2) 事業報告の附属明細書
 (3) 貸借対照表
 (4) 損益計算書(正味財産増減計算書)
 (5) 貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書) の附属明細書
 (6) 財産目録

2 前項の書類のほか、次の書類を主たる事務所に5年間備え置き、一般の閲覧に供するとともに、定款を 主たる事務所に備え置き、一般の閲覧に供するものとする。
 (1) 監査報告
 (2) 理事及び監事並びに評議員の名簿
 (3) 理事及び監事並びに評議員の報酬等の支給の基準を記載した書類
 (4) 運営組織及び事業活動の状況の概要及びこれらに関する数値のうち重要なものを記載した書類

(公益目的取得財産額残額の算定)
第12条 理事長は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第48条の規定に基づき、毎事業 年度、当該事業年度の末日における公益目的取得財産額残額を算定し、前条第2項第4号の書類に記載するものとする。

(長期借入金及び重要な財産の処分または譲り受け)
第13条 この法人が借り入れをしようとするときは、その事業年度の収入をもって償還する短期借入金を除き、 理事および評議員現在数の3分の2以上の議決を経なければならない。
2 重要な財産の処分または譲り受けも前項と同様とする。

(会計原則等)
第14条 この法人の会計は、一般に公正妥当と認められる公益法人の会計の慣行に従うものとする。
2 この法人の会計処理に関し必要な事項は、理事会の議決により別途定める財務・経理・及び会計規程によるものとする。

(事業年度)
第15条 この法人の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。

第4章 評議員及び評議員会

第1節 評議員
(定数)
第16条 この法人に、評議員10名以上15名以内をおく。
2 評議員のうち1名を評議員会会長とする。
3 評議員会会長は評議員会において選任する。
4 評議員は、この法人の理事または監事もしくは使用人を兼ねることができない。

(評議員の選任及び解任)
第17条 評議員の選任及び解任は、評議員選定委員会において行う。
2 評議員選定委員会は、評議員2名、監事1名、次項の定めに基づいて選任された外部委員2名の合計5名で構成する。
3 評議員選定委員会の外部委員は、次のいずれにも該当しない者を理事会において選任する。
 (1) この法人又は関連団体(主要な取引先及び重要な利害関係を有する団体を含む。)の業務を執行する者又は使用人
 (2) 過去に前号に規定する者となったことがある者
 (3) (1)又は(2)に該当する者の配偶者、三親等内の親族、使用人(過去に使用人となった者も含む。)
4 評議員選定委員会に提出する評議員候補者は、理事会又は評議員会がそれぞれ推薦することができる。評議員選定委員会の運営についての詳細は、理事会において定める。
5 評議員選定委員会に評議員候補者を推薦する場合には、次に掲げる事項のほか、当該候補者を評議員として適任と判断した理由を委員に説明しなければならない。
 (1) 当該候補者の経歴
 (2) 当該候補者を候補者とした理由
 (3) 当該候補者と当該法人及び役員等(理事、監事及び評議員)との関係
 (4) 当該候補者の兼職状況
6 評議員選定委員会の決議は、委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。ただし、外部委員の1名以上が出席し、かつ、外部委員の1名以上が賛成することを要する。
7 評議員選定委員会は、前条の定める評議員の定数を欠くこととなるときに備えて、補欠の評議員を選任することができる。
8 前項の場合には、評議員選定委員会は、次の事項も併せて決定しなければならない。
 (1) 当該候補者が補欠の評議員である旨
 (2) 当該候補者を1人または2人以上の特定の評議員の補欠の評議員として選任するときは、その旨及び特定の評議員の氏名
 (3) 同一の評議員(2以上の評議員の補欠として選任した場合にあっては、当該2以上の評議員)につき2人以上の補欠の評議員を選任するときは、当該補欠の評議員相互間の優先順位
9 第7項の補欠評議員の選任に係る決議は、当該決議後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで、その効力を有する。

(任期)
第18条 評議員の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。ただし、再任を妨げない。
2 補欠により選任された評議員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 評議員は、第16条に定める定数に足りなくなるときは、任期の満了又は辞任により退任した後も、新たに選任された者が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。 。

(報酬等)
第19条 評議員は無報酬とする。
2 評議員には、評議員会の決議により別に定める規程に従い、その職務を行うために要する費用を支給することができる。

第2節 評議員会
(構成)
第20条 評議員会は、すべての評議員をもって構成する。
2 評議員会会長は、評議員会の議長を務める。

(開催)
第21条 評議員会は、定時評議員会として毎事業年度の終了後3ヶ月以内に1回開催するほか、必要に応じて随時開催することができる。
2 評議員会は、評議員の過半数の出席で成立する。

(招集)
第22条 評議員会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき理事長が招集する。
2 評議員は理事長に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。

(権限)
第23条 評議員会は、次の事項を決議する。
 (1) 理事及び監事の選任及び解任
 (2) 貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)並びにこれらの付属明細書 の承認
 (3) 定款の変更
 (4) 残余財産の処分
 (5) 基本財産の処分又は除外の承認
 (6) その他評議員会で決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項

(決議)
第24条 評議員会の決議は、決議について特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の過半数が出席し、
その過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず次の決議は、決議について特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。
 (1) 監事の解任
 (2) 定款の変更
 (3) 基本財産の処分又は除外の承認
 (4) その他法令で定められた事項
3 理事又は監事を選任する議案を決議するに際しては、各候補者ごとに第1項の決議を行わなければならない。
4 評議員が、評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき、評議員の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の決議があったものとみなす。

(議事録)
第25条 評議員会の議事については、法令の定めるところにより議事録を作成する。
2 評議員会議長は、前項の議事録に記名押印する。


第5章 役員及び理事会

第1節 役員等
(役員の設置)
第26条  この法人には、次の役員をおく。
 (1) 理事 7名以上10名以内
 (2) 監事 2名以上3名以内
2 理事のうち1名を理事長、1名以上3名以内を常務理事とする。
3 前項の理事長をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の代表理事とし、
常務理事をもって同法第91条第1項第2号の業務執行理事とする。

(役員の選任)
第27条 理事及び監事は、評議員会の決議によって選任する。
2 理事長及び常務理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。
3 理事及び監事に異動があったときは、2週間以内に登記し、登記事項証明書等を添え、遅滞なくその旨を行政庁に届け出るものとする。
4 特定の理事とその親族その他特別の関係にある者の合計数は、理事現在数の3分の1を超えてはならない。
5 理事及び監事は、相互に兼ねることができない。

(理事の職務及び権限)
第28条 理事は理事会を構成し、法令及びこの定款の定めるところにより、職務を執行する。
2 理事長は、法令及びこの定款の定めるところにより、この法人を代表し、その業務を執行する。常務理事は、理事会において別に定めるところにより、この法人の業務を分担執行する。
3 代表理事及び業務執行理事は、毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行状況を理事会に報告しなければならない。

(監事の職務及び権限)
第29条 監事は、この法人の業務及び財産に関し、次の各号に規定する職務を行う。
 (1) 法人の財産及び会計の状況を監査すること 。
 (2) 理事の業務執行の状況を監査すること。
 (3) 理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事に報告すること。
 (4) 前号の報告をするため必要があるときは、理事長に理事会の招集を請求することが出来る。
 (5) 前号の規程による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする。理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することが出来る。

(役員の任期)
第30条 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとし、再任を妨げない。
2 監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとし、再任を妨げない。
3 補欠として選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の満了する時までとする。
4 理事又は監事は、任期の満了又は辞任により退任した後も、第26条第1項に定める定数に足りなくなるときは、新たに選任された者が就任するまで、なお理事または監事としての権利義務を有する。

(解任)
第31条 理事または監事が、次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって解任することができる。
 (1) 職務上の義務に違反し、または職務を怠ったとき
 (2) 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、またはこれに耐えないとき

(報酬等)
第32条 理事及び監事は無報酬とする。
2 理事及び監事には、評議員会の決議により別に定める規程に従い、その職務を行うために要する費用を支給することができる。


第2節 理事会
(構成)
第33条 理事会は、すべての理事をもって構成する。

(権限)
第34条 理事会は、法令及びこの定款に定めるところにより、この法人の業務執行の決定及び理事の職務執行の監督等を行うほか、理事長及び常務理事の選定及び解任を行う。

(開催)
第35条 理事会は毎年2回理事長が招集する。
2 理事長が欠けたとき又は理事長に事故があるときは、各理事が理事会を招集する。

(決議)
第36条 理事会の決議は、決議について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
2 理事が、理事会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき、理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす。

(議事録)
第37条 理事会の議事については、法令の定めるところにより議事録を作成する。
2 出席した理事長及び監事は、前項の議事録に記名押印する。

第6章 選考委員会

(選考委員会および委員)
第38条  第4条に掲げる補助の対象となる者、団体及び研究機関を選考するために、選考委員会をおく。
2 選考委員会は、3名以上の委員による合議体とする。
3 前項の委員は、学識経験のある者のうちから理事会で選出し、理事長が委嘱する。
4 第2項の委員には、この法人の役員および評議員をこれにあててはならない。
5 選考委員の任期は、1年とする。

第7章 事務局及び職員

(設置等)
第39条 この法人の事務を処理するため、事務局を設置する。
2 事務局には、事務局長及び所要の職員を置くことができる。
3 事務局長及び重要な職員は、理事会の承認を得て理事長が任免する。
4 事務局の組織及び運営に関し必要な事項は、理事会の議決を経て、理事長が定める。

第8章 定款の変更及び解散

(定款の変更)
第40条  この定款は、評議員の3分の2以上の決議によって変更することができる。
2 前項の規定は、この定款の第3条、第4条及び第17条についても適用する。

(解散)
第41条 この法人は、基本財産の減失によるこの法人の目的である事業の成功の不能その他法令で定められた事由によって解散する。

(公益認定の取消し等に伴う贈与)
第42条 この法人が公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く)には、評議員会の決議を経て、公益目的取得財産残額に相当する額の財産を、当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から1箇月以内に、公益社団法人及び財団法人の認定等に関する法律第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。

(残余財産の帰属)
第43条 この法人が清算する場合において有する残余財産は、評議員会の決議を経て、公益社団法人及び財団法人の認定等に関する法律第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。

第9章 公告の方法

(公告の方法)
第44条  この法人の公告は電子公告により行う。
2 事故その他やむを得ない事由によって前項の電子公告をすることができない場合は官報に掲載する方法による。

第10章 補則

(委任)
第45条 この定款に定めるもののほか、この法人の運営について必要な事項は、理事会の決議により別に定める。

附則
1 この定款は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第106条第1項に定める公益法人の設立の登記の日から施行する。
2 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第106条第1項に定める特例民法法人の解散登記と、公益法人の設立の登記を行ったときは、第15条の規定にかかわらず、解散の登記の日の前日を事業年度の末日とし、設立の登記の日を事業年度の開始日とする。
3 この法人の最初の代表理事は古在由秀とする。
4 この法人の最初の理事及び監事は、次に掲げる者とする。
   理事: 古在由秀 藤原鎮男 上田誠也 江澤 洋  和田昭允 久城育夫 大村 智  
   監事: 戸塚浩司 釜谷彰一
5 この法人の最初の評議員は、次に掲げる者とする。
       長倉三郎 石野清治 田丸謙二 黒岩常祥 日江井榮二郎
       永原裕子 北澤宏一 秋光 純 神部 勉 星 元紀

(改定記録)
平成28年3月24日
 第2条(事務所) 東京都江戸川区に置くを千葉県市川市に置くに改訂

令和2年7月13日
 第2条(事務所) 千葉県市川市に置くを東京都新宿区に置くに改訂

令和4年5月31日
 この定款を改定 同日から施行