事業報告書
2019年度 事業報告 (2019年4月1日~2020年3月31日)     公益財団法人伊藤科学振興会

1) 事業の概況
 昨年度と同様に銀行金利も相変わらず低水準にあります。国内外の投資マネーも不活発であり政府の想定を超えて落ち込みは激しく財団の運用も難しい状況にあります。この様な状況の下、研究助成事業及び財団の運用運営共に予定通り経過することが出来ました。毎年1回、化学・地学・物理学・生物学の自然科学4分野の内、1分野を研究助成の対象としており、2019年度は地学分野が対象となりました。
 2019年度で事業回数も第52回となりましたが、これからも財団実績の 向上に努力して参りたいと存じます。
 財団の運用面においては、安全性が高く現状では比較的高率な国内債券地方債を保有しております。世界情勢が安定せず、先行きの不透明感を考慮し、保守的な観点から国内債券を保有しておりますが、利回りは期待できる状況にはありませんので、今後も財団としては厳しい状況が続くものと思われます。

2) 研究助成
 2019年度の研究助成事業葉の地学1分野を対象に国内主要国公私立大学 及び研究機関に研究助成候補者の推薦をお願い致しましたところ推薦されまし た研究助成候補者件数は15件で7月5日、8月9日の両日に行われた選考委 員会の審査で研究助成候補者は3件に絞られ、その後開催されました財団役員 及び選考委員長・選考委員の審議を経て同3件を2019年度の研究助成として 採択し研究助成金総額300万円の贈呈を決定しました。
 因みに研究助成金総額の実績は2018年度第51回までの累計は以下の通り となります。
 ※研究助成候補者推薦件数   3,594件
 ※研究助成件数         397件
 ※研究助成金贈呈総額 313,400,000円

3) 研究助成金の贈呈
 2019年12月4日(水)午前11時30分より銀座資生堂ビル9F会場において第52回公益財団法人伊藤科学振興会化学分野研究助成金贈呈の会を開催。
 下記の受賞者3名に対し小林昭子理事長より各氏に贈呈状の授与、贈呈者への祝辞及び研究助成事業の概要についての説明と、ご挨拶がありました。

・ 2019年度地学分野研究助成一覧・

研究題目 主任研究者(敬称略)
衛星多点観測に基づくジオスペース酸素イオンの
輸送と分布の解明
名古屋大学
宇宙地球環境研究所・准教授
能勢 正仁
鉛熱年代計を用いた月斜長岩の冷却率推定 東京大学
地球惑星科学専攻・准教授
飯塚 毅
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測する赤外線銀河の性質 広島大学
宇宙科学センター・助教
稲見 華恵

 続いて選考委員長 東京大学名誉教授 岡村定矩先生より祝辞及び選考審査の経過について説明がありました。引き続き記念撮影が行われて午前の部を終了しました。
 午餐会の席上では理事・評議員・監事の自己紹介があり、引き続き選考委員 東京大学理学系研究科教授 田近英一先生及び東京大学理学系研究科教授日比谷紀之先生から選考委員所感を頂戴し、歓談となりました。
 歓談の途中、受賞者の方々の自己紹介に併せ日頃の研究内容についての発表と、それに対する質疑応答がありました。

 最後に江澤 洋理事より閉会の挨拶があり大変和やかな雰囲気の中で2019年度公益財団法人伊藤科学振興会研究助成金贈呈の会を終了しました。